【レビュー】CREAMが『BLACK』で提案する新たなJ-POPとは

【レビュー】CREAMが『BLACK』で提案する新たなJ-POPとは


今年元日にベスト盤をリリースしたMinamiとStaxx Tによる音楽ユニット・CREAMが、早くもニューアルバム『BLACK』を発表。通算4枚目のオリジナルアルバムとなる本作は、収録曲全てがセルフ・プロデュースによるもの。”黒=他の何色にも染まらない”という強い意志表示とともに、ユニット第2章の幕開けを高らかに宣言しています。

CREAM『BLACK』

CREAM『BLACK』

『BLACK』というタイトルから、本作がヒップホップやR&Bといったブラック・ミュージックを標榜したアルバムだと想像した人も少なくはないでしょう。確かに、これまで彼らが得意としていた4つ打ちのEDMはほぼ姿を消し、代わりに現行ブラック・ミュージックのチルな手法が頭をもたげているのは間違いありません。しかし本作最大の魅力は、どんなビートもハイ・クオリティーなポップ・ミュージックへと昇華させるMinamiとStaxx Tの手腕にあります。どの曲もとにかく耳馴染みがよく、親しみをもって心に飛び込んでくるのです。

この”聴きやすさ””親しみやすさ”を可能にしている要素の一つが、各曲を効果的に盛り立てるフック=サビ。印象的なフレーズのリフレインを多用することで強いフック感を生み出し、口ずさみやすいポップスへと纏め上げるという手法が、アルバム全体を通して見られます。ベスト盤にも収録されたエアリーなミドル・チューン「Girl Like Me」、クラブでの男女の駆け引きを歌った「Hey You」、本作で唯一の4つ打ち「Yesterday」などがまさにそれ。いずれも、一度耳にすれば脳内リピート確実です。

本作には全12曲が収録されていますが、その半分以上がストーリーテリングによって作られています。快活なピアノのフレーズが頭から離れなくなる「Shut Up And Party」、サウンドと歌詞の両面で本格的なR&Bへのアプローチを試みた「take me home」、ポップなトラックが恋のほろ苦さをより一層引き立たせる「Leave me alone.」、いい加減な男に振り回される女子を演じたお気楽なレゲエナンバー「Y O Y」、甘酸っぱいフレーズが散りばめられた胸キュン必至ソング「Nobody Else」、すれ違う男女をテーマにMinamiは熱っぽく、Staxx Tは物憂げに歌い上げたバラード「let it be」など、楽曲自体のバラエティこそ豊富ですが、どれもクラバーや若者のリアルな日常を細やかに描写したものばかり。しかも彼らの場合、一つの題材を男女両方の視点から表現し、万人がより共感しやすい音楽性を担保することにも成功しているのです。恐るべし、CREAM。

また、こうしたストーリーテリングの楽曲が大半を占めているからこそ、親友への想いを綴った「My Buddy」をはじめとする彼ら自身が主体を担う楽曲にも、おのずから親近感が持てるのだと思います。

まるでヒットの法則を心得ているかのような安定感のある作風で、新たなJ-POPの形を提案したCREAM。彼らがいれば日本のポップス界も大丈夫ーーそんな頼もしささえ感じてしまうのはきっと、僕だけではないはずです。

文:スズキ

CREAM『BLACK』
2017年4月26日発売
Amazon
iTunes

<CD>
1. My Buddy
2. Shut Up And Party
3. Girl Like Me
4. Hey You
5. take me home
6. Yesterday
7. Leave me alone.
8. Jelly
9. Y O Y
10. Nobody Else
11. let it be
12. WGFH

<DVD>
1. “My Buddy” Music Video
2. “Girl Like Me” Music Video
3. Behind the Scenes of “My Buddy” Music Video

CREAM 公式サイト