【インタビュー】ゴスペラーズ黒沢 薫、ソロデビュー10周年で見せた円熟の境地

【インタビュー】ゴスペラーズ黒沢 薫、ソロデビュー10周年で見せた円熟の境地


ゴスペラーズのメンバーとしての顔のみならず、ソロシンガー、はたまた無類のホームパーティー好きなど、様々なキャラクターで支持されている黒沢 薫。ソロデビューを果たしてから10周年の節目にリリースされたニューシングル「Supernova duet with 三浦大知」は、そんな彼のブラックミュージックに懸ける情熱と、黒沢イズムと呼ぶにふさわしい独自の美学を凝縮した会心の一作に仕上がっている。

当サイトでは、黒沢への取材を実施。収録曲にまつわるアッと驚くエピソードや、共演者や後輩に対する直向きな持論をじっくりと語ってもらった。彼がいかにアーティスト、いや、一人の男として魅力的な人間であるか、この記事を通して実感してもらえれば幸いだ。

インタビュー・文:白原ケンイチ


【黒沢 薫×歌もの情報サイト「UTALABO」 プレゼント企画】
以下のインタビュー記事をTwitterでツイート、もしくは該当するUTALABOアカウントのツイート(https://twitter.com/utalabo/status/659353484190285825)をリツイートしてくださった方の中から抽選で3名様に、黒沢 薫の直筆サイン入りポスターをプレゼントします!応募の際は@utalaboのフォローをお忘れなく!(応募期間:11/10まで) http://utalabo.com/archives/2794

<注意事項>
*ご当選された方には追って、プレゼントの送付方法などの詳細を当サイトの担当者よりご連絡させて頂きます。TwitterのDMでやり取りをさせて頂きますので、応募される方はあらかじめUTALABOアカウントのフォローをお願い致します。


 

<”ソロだからこそ出来ること”を錬磨し続けた10年間>

——ソロデビュー10周年、おめでとうございます。あらためてこの10年を振り返ってみていかがですか?

黒沢:最初は軽い気持ちだったんですけど、実際に活動を始めてみると、「ゴスペラーズの縮小版になっているかもしれない」という反省点に直面しまして。あの頃は、やりたいことが自分の中で固まりきっておらず、このままだったらソロでやる必要性もあまり感じてもらえないんじゃないかと思っていました。そこから、ライブが活動の主体になっていくにつれて、自分のやりたいスタイルを少しずつ確立していくことになるんですけど。

——その転機は大体いつ頃だったのでしょうか?

「これかな?」って気持ちがはっきりと現れたのは、2010年にビルボードライブで公演をしたときかな。あの頃あたりから邦楽と洋楽の要素をマッシュアップさせる手法や、遠慮せずに格好を付けることも自然と出来るようになっていって、「これがいわゆる黒沢 薫のスタイルなのかな」って自分の中で掴み始めた時期でした。

黒沢 薫

——ということは、その“気付き”の前に発表された「Love Anthem」(2005年発表)と、後に発表された「LOVE LIFE」(2013年発表)のアルバム2作品についても、大なり小なり姿勢に違いはあったと?

黒沢:ありましたね。「Love Anthem」は、日本を代表するミュージシャンが集結してくれたお陰で、音として本当に素晴らしい作品になったと思うんです。でも今思えばあれはやはり、“ジャパニーズR&B”の音だった。決して悪い意味ではなくてね。それに対して「LOVE LIFE」では、“ジャパニーズ”という概念を取り去ったR&B/ソウルの世界をやりたかった。なぜかというと、それまでは邦楽の洋楽のマッシュアップを行うためにわざわざ洋楽の曲をカバーしたりしてスタイルを作り込んでいったのだけど、そうじゃなくて、自分の楽曲だけで二つの音楽を融合させたかった。「Love Anthem」の頃からそういう路線を目指してはいたんだけど、より自分のやりたい音楽を純化させた上で作品を作りたかったというか。

——今のお話にもあるように、確かに黒沢 薫という存在は、この10年で自分らしいテイストを着実に掘り下げているように感じています。語弊があるかもしれませんが、ゴスペラーズという枠組みをもはや必要としないぐらいインディペンデントな存在にもなりつつあって。

黒沢:ソロデビュー当初から、「ソロでやる以上はゴスペラーズに甘えない」というのが僕の中での絶対的な約束だったんです。ソロのライブでも、基本的にゴスペラーズの曲は歌わないようにしていて。ゴスペラーズの曲はあくまでゴスペラーズでしか歌えない曲なんですよね。だから自分はそうじゃないところで、それに匹敵するクオリティを築いてこそソロでやる意義があると思っています。誤解を恐れずに言えば、「ゴスペラーズの音楽は好きだけど、黒沢 薫の音楽は嫌い」とか、あるいはその逆の思考を持ったファンもどんどん増やしていきたいなと。それぐらい全く違った感触を提示しないと、ソロの意味がないと思うから。